NWOBHMそのものは1980年代半ばにその勢いを失ってしまうが、世界各地で「NWOBHMに続け」と若者達がバンドを結成するきっかけとなった。 そして、メタリカ、メガデス、スレイヤー、アンスラックスなどのバンドが、アンダーグラウンドで人気を獲得していきながら、よりへヴィで過激な音楽形態であるスラッシュメタルを確立。これらはハードコア・パンクの影響を受け、テンポの速さ、リフに重きを置いたサウンド、ダークな世界観を特徴とし、当時隆盛を極めていたLAメタルとは一線を画するものであった。
スラッシュメタルの流行はやがて収束していくが、フロリダではスラッシュメタルの凶暴性を突き詰めたデスメタル、北欧ノルウェーではスラッシュメタルの要素に加え反キリスト教の概念を強調したブラックメタルが誕生するなど、その後のエクストリーム・メタルシーンの成立に大きな影響を与えるとともに、シーンの細分化が進んだ。
古典的ヘヴィメタルの衰退?オルタナティブ・メタルの勃興 [編集]
ヘヴィメタルは1980年代後半に商業的なピークを迎えるが、ポップ・ミュージック化した産業ロックへの反発から生まれたニルヴァーナをはじめとするグランジ/オルタナティブ・ロックの人気の爆発により、1980年代的なヘヴィメタル(いわゆる正統派メタル)は、過去の遺物扱いを受けることになる。
そのような状況下では古典的ヘヴィメタルバンドが従来の活動を続けられるはずもなく、バンド再編、有力メンバーの離脱、音楽性の変化などが求められた。当然それに対応できないバンド、あるいは変化の過程でファンの支持を得られなかったバンドは表舞台から消えていった。
この状況に楔を打ち込んだのがスラッシュ・メタルの代表と目されていたメタリカであった。彼らはアルバム『メタリカ』(1991年)でスラッシュ的なスピード性を放棄し、オルタナティヴ・サウンドと通じるような重厚な音楽性を導入してヘヴィメタルの新しい方向性を示し、2200万枚という大ヒットを飛ばす。そして、パンテラの『俗悪』、ミニストリーの『詩篇69』、ヘルメットの『ミーンタイム』などは数々のバンドの手本とするところとなる。そのパンテラに強く触発されたロブ・ハルフォードがジューダス・プリーストを脱退してFIGHTを結成したことは、この時期の流れを象徴するものといえよう。
この動きに呼応するようにしてヘヴィメタルは若手ミュージシャンを中心にオルタナティブ・メタルとして復活を始める。それは、シンプルなリフに重いギターサウンド、冷徹に現代社会を見つめる歌詞のテーマ、ヒップホップ・レゲエの要素の導入など、時代に求められた様々な要素を注ぎ込んだ新しいメタル像(ニュー・メタル)であった。一方の日本ではこの動きをモダン・ヘヴィネスやヘヴィ・ロックと呼称して区分し、旧来のヘヴィメタルとは違うことを強調したマーケティングが行われた。
このような流れの中、シャロン・オズボーンは、夫オジー・オズボーンが時代の半歩先を行く音楽性で常にヘヴィメタルの象徴であり続けたことを活かし、若手ニューメタル・バンドとオジー・オズボーン擁するブラック・サバスという組み合わせで全米をツアーするオズフェストという前代未聞のツアーに打って出る。これは見事に成功し、マリリン・マンソンやスリップノット、コーンなどのプロモーションに大きく貢献し、メタルコアなど後続のムーブメントに大きな影響を与えた。さらに結果的にはオジー・オズボーンそしてブラック・サバスを伝説的な存在へと昇華させることにも成功した。
こうして1990年代は、新しい時代にふさわしい姿に成長したバンド、消えていった旧世代のバンド、時代に応じて現れた若手のバンドと、世代交代が急速に進んでいった時代であった。
2000年代以降のヘヴィメタル [編集]
1990年代後半のヨーロッパでは、デスメタルにメロディと和音を取り入れたメロディックデスメタル、ゴスファッションとクラシック音楽のサウンドを取り入れたゴシックメタルなど、新たな動きが生み出されていった。この流れは一挙に進み、さらにアメリカではキルスウィッチ・エンゲイジやシャドウズ・フォールをはじめとするメタルコア、ヨーロッパではラプソディー・オブ・ファイアなどのシンフォニックメタルが出現し、サブジャンル化(後述)は現在も止まることなく進んでいる。
こうしてヘヴィメタルのスタイルは分散化が進み、空洞化したヘヴィメタルは王道を失っていた。そこへ(再び)現れたのが、1980年代のヘヴィメタルを支えたクラシックメタルの王者であるジューダス・プリーストやアイアン・メイデンらであった。黄金期のラインナップで再興した彼らは新たなアルバムの発売やツアーなど精力的な活動を行い、メタルシーンの活性化に貢献した。シャロン・オズボーンもまたこうした動きを見逃さず、これら2バンドはもちろん1980年代から2000年代で活躍しているバンドが多数参加する一大イベント「オズフェスト」を毎年の定例イベントとして仕上げていった。
折から音楽業界全体に「再結成ブーム」が到来していることもあり、ベテランバンドの再結成・再編成は止まるところを知らない。特にモトリー・クルーやヨーロッパ、ホワイトスネイクなどは反響を呼び、再結成ツアーが成功を収めた。ジャパニーズ・メタルにおいてもラウドネスがオリジナルメンバーに戻ったり、アースシェイカーやANTHEM、BOW WOWにSHOW-YA等が再結成したりするなど、同じような現象が起きている。
現在はジューダス・プリースト、アイアン・メイデンなど正統派のメタル・バンドが復活する一方、若者の支持を集めた新世代トリヴィアムやアヴェンジド・セヴンフォールド、根強い人気を保っているスカンジナビアのイン・フレイムスやチルドレン・オブ・ボドム、女性ボーカリストを擁して大衆的な人気を得るに至ったナイトウィッシュやエヴァネッセンスなど、幾多のジャンルにまたがる多くの新バンドが登場している。
アメリカの調査会社NPDによると、2006年に前年と比較して最も市場が成長したロック系音楽ジャンルはハードロック/ヘヴィメタルとなっている。
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